マイクロソフトは2002年8月28日,ペンで操作するパソコン(タブレットPC)用のOS「Windows XP Tablet PC Edition」を搭載したパソコンが11月7日から出荷開始されると発表した。パソコン・メーカ8社がそれ以降,順次出荷を開始する。米国と同時発売になるという。Windows XP Tablet PC Editionは2002年6月に発表済み。タブレットPCを発売するメーカには,6月に発表した富士通,NECなど5社に,ペースブレードジャパン,ビューソニックジャパン,日本エイサーが加わった。

 タブレットPCは,専用のペンを使って液晶画面上で手書き入力できるノート型のパソコン。ペンの動き(ジェスチャ)で内容の消去やコピーなどができる機能や,音声入力機能を備えている。機能的にはWindows XP Professionalを包含しているので,XP対応アプリケーションはそのまま利用可能だ。しかしタブレットPCの機能をフルに活用するには,アプリケーション・ソフト自体が追加機能に対応している必要がある。

 マイクロソフトによると,すでに16社がタブレットPC用のアプリケーションを開発しているという。そのうち具体的な製品を明らかにしたのは6社。なかでもクレオとヴァル研究所は発表会の席上デモを実施した。クレオは2002年11月下旬に出荷開始予定の年賀状作成ソフト「筆まめver.13」で,はがきに一人ひとりに違ったメッセージを手書き入力できるようにする。またヴァル研究所は,路線探索ソフト「駅すぱあと」に2002年12月から駅名をペンで選択して入力したり,探索画面や地図に手書きメモを書き込む機能を追加する。

ヴァル研究所「駅すぱあと」で,手書き入力で駅選択や直接メモを書き込める
エー・アイ・ソフト「デジカメde!!同時プリント」で,パソコンに取り込んだデジタルカメラの画像に文字やイラストを書き込める
学習研究社「書いて覚える!国語・漢字ドリル辞典(仮称)」で,書き順の映像を手本に漢字の書き取り学習ができる
クレオ「筆まめforタブレットPC(仮称)」で,あて先ごとに違った手書きの文章を入れることができる
セルシス「ComicStudioDebut」で,ペンで直接画面に漫画やイラストをかける
日本サイバーサイン「G-SIGN LOCK for TabletPC」で,手書きの署名でユーザ認証をする
(堀内 かほり=日経バイト)