SRAは2002年8月20日,米Turbolinux社のLinuxのビジネス事業を買収し,日本法人であるターボリナックスジャパンの全株式を取得したと発表した。株式の取得総額は1億円。今後はアジア市場でのLinuxビジネスを進める。

 SRAは今回の買収により,Linuxによるシステム構築事業の強化と,PostgreSQL関連事業の強化をねらう。これにより,「2002年3月期での売り上げ約16億円を,2004年3月期には55億まで引き上げる」(SRA常務取締役の米津正義氏)という。

 ターボリナックスジャパンはSRAの完全子会社となる。社名をターボリナックスに変更したうえで,これまで通りLinuxディストリビューションの販売事業を継続する。韓国と中国にそれぞれある地元企業などとの合弁会社についても,米Turbolinux社が所有する株式を取得する予定である。その際,日本がUnitedLinux,中国が既存のTurboLinux,韓国が組み込み向けLinuxをそれぞれ分担して開発/製造する。

 ターボリナックスは従来通り,サーバおよびクライアント向けのディストリビューションであるTurbolinux ServerやTurbolinux Workstationの開発を継続する。ハイエンド向けは独自製品ではなく,米Caldera International,ブラジルConectiva,独SuSE Linuxの4社で共同開発している「UnitedLinux」を提供する。具体的には,Turbolinux Enterprise ServerとしてUnitedLinux準拠の製品を発売する。パートナ企業向けに2002年8月末,一般向けに第3四半期末にβ版を提供する計画である。またデータベース・サーバPostgreSQLをLinux向けにチューニングしサポート付きの「TurboDB」として搭載する。対応OSはUnitedLinuxを予定している。

 米Turbolinux社はすでに名称を米Centerlexに変更。同社は大量のLinuxサーバを自動的に構成するためのツール「PowerCockpit」の開発/販売を手がけていく。米国でのLinuxディストリビューション販売については「今後,体制を整えて米国にも再参入したい」(ターボリナックスの矢野広一社長)としている。

(堀内 かほり=日経バイト)