メルコは2002年7月2日,店舗などで無線LANアクセス・サービスを簡単に導入できるようにするキット「FREESPOT導入キット FS-01」を7月中旬に出荷すると発表した。価格は3万9800円。飲食店などが独自に低価格で無線LANアクセス・サービスを始めるのに必要なハードとサービスが一通り揃っている。別途必要なのはISPとの契約。

 FS-01の構成は,IEEE 802.11b対応の無線LANアクセス・ポイント本体と,利用客向けに無線LANアクセス・サービスを告知するポスターやステッカ。FS-01の設定と,インターネット接続の作業をしてくれる機器設定サービスも含まれている。

 無線LANアクセス・ポイントは,無線LANアクセス・サービス用の機能を盛り込む。具体的にはまず,アクセス・ポイントに接続した無線LANクライアント間の通信を禁止する機能。これにより利用者同士のプライバシを保護できる。営業時間を設定することで,営業時間外のアクセスを拒否するタイマ機能も持つ。また,アクセス・ポイントに接続したユーザがWebブラウザを起動した時に,指定したWebページを自動的にポップアップさせる機能もあり,アクセス・ポイントを設置する店舗が自店の広告に利用できる(ポップアップするのは初回アクセスのみ)。

 インターネット接続には,アクセス・ポイントを設置する店舗が契約するISPの回線を使う。アクセス・ポイントはルータとしても動作し,DHCPサーバ/クライアント機能を持つため,ADSLなどの一般的なアクセス回線を用意すればよい。利用者が接続するためには,無線LAN設定のESSIDを「freespot」と設定する。

 メルコはFS-01による無線LANアクセス・サービスを「FREESPOT」と名付けている。これを利用した先行サービスを愛知県名古屋市の大須商店街などがすでに始めている。メルコはFREESPOTの広報機関としてFREESPOT協議会という団体を設立しており,同協議会のWebサイト(http://www.freespot.net/)を通じて利用者向けにFREESPOTの設置店リストやパソコンの設定方法なども告知する。

(仙石 誠=日経バイト)

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