NTT-MEは2002年7月1日,無線LANアクセス・サービスを2002年11月から開始すると発表した。主要な鉄道のターミナル駅やコンビニエンス・ストアなどを始めとして,2002年末までに1000ヵ所のアクセス・ポイントを設置する予定。オプションで無線LANによるVoIPサービスも提供する。サービス名称や利用料金などは未定。

 NTT-MEはISPとしてのサービスは提供しないため,ユーザは普段利用しているISPのアカウントを使ってインターネットに接続する。ISPがユーザ認証できるように,ローミング業者と提携した。具体的には,米iPass社が提供する無線LANアクセスのISPローミング・サービスを使う。

 ユーザ認証にはIEEE 802.1xを使う。iPassのISPローミング・サービスに加入していれば,どのISPでも利用できる。ユーザは,契約するISPを通じてNTT-MEの無線LANアクセス・サービスに加入し,接続にはiPassの接続用クライアント・ソフトを使う。ただし,802.1xクライアント機能はパソコン側で持つ必要がある。現時点ではWindowXPとWindowsCE.NETが該当する。

 現在,Wi-Fi認証を行っているWECA(Wireless Ethernet Connectivity Alliance)が無線LANアクセス・サービスのローミングに対する認証規定を策定中。これにより,異なる無線アクセス・サービス間でのローミングが保証される。NTT-MEではこれが決まり次第,対応するとしている。

 ユーザは,各アクセス・ポイントからNTT-MEを通じてインターネットに接続される。アクセス・ポイントを設置するのは現在のところ,東武鉄道,相模鉄道,am/pmジャパンの3社。NTT-MEによれば,11月のサービス開始に向け,鉄道会社などを中心にアクセス・ポイントの協力者を増やしていくという。

 月額料金は未定だが,1500円程度になる見込み。2002年7月上旬から,技術検証を目的とした接続試験を開始する。7月中旬には一般からモニターを募集し,8月上旬からモニタを対象とした試験サービスを提供する。東武鉄道の池袋/浅草/新越谷および相武鉄道の横浜/大和/緑園都市の各駅と,東京・千代田区内を始めとするam/pm数店舗にアクセス・ポイントが設置される。NTT-MEでは,試験期間中でも利用状況に応じてアクセス・ポイントを増やしていくとしている。

(仙石 誠=日経バイト)