NTT西日本は2002年6月13日,無線LANを使ったインターネット接続サービス「フレッツ・スポット」を同年7月1日より開始すると発表した。無線LANの方式はIEEE802.11bである。

 フレッツ・スポットは,サービス開始時点ではフレッツ・ISDN/ADSL,Bフレッツのユーザに限定した提供となる。ただしサービス開始後,「秋になる前」(NTT西日本)にフレッツ・シリーズのユーザ以外でも利用できるようにする。

 フレッツ・ユーザ向けの料金は月額800円(フレッツ・ユーザ以外への値段は未定)。これに別途ISPの利用料金が必要になる。初期費用は,一般ユーザ向けの(1)標準プランと,強固なセキュリティを得たいユーザ向けの(2)高セキュリティプランとで異なる。標準プランは2000円,高セキュリティプランが3000円である。

 (1)の標準プランは,IEEE802.11bで定められたセキュリティ機能の範囲でセキュリティを提供する。具体的にはWEP(Wired Equivalent Privacy)による暗号化,SSIDによるアクセス制限,MACアドレスによるフィルタリングである。MACアドレスでフィルタリングしてもらえるように,ユーザはあらかじめ無線LANカードのMACアドレスをNTT西日本に電話または同社のホームページ経由で知らせ,登録しておく必要がある。また,SSIDやWEPキーはすべてのアクセス・ポイントで一定である。

 (2)の高セキュリティ・プランでは(1)に加え,IEEE802.1xに沿った認証が提供される。ユーザに電子証明書をCD-ROMで配布し,これを802.1x用の鍵として使う。IEEE802.1xを使うことで,WEPの鍵として毎回異なるものが配布されるようになる。ただし,高セキュリティ・プランはIEEE802.1xドライバを標準で持つWindows XPでしか利用できない((1)はOSを選ばない)。

 当初は大阪市の梅田・難波エリアの駅周辺ビル,飲食店,ホテルなどを中心に展開する。将来的には名古屋,福岡などの都市部へ展開する。2003年3月末までに2000カ所でサービスを提供する予定である。

(中道 理=日経バイト)