NTT東日本は2002年5月29日,無線LANを使ったインターネット接続サービス「Mフレッツ」を試験提供すると発表した。エリアは東京都と北海道に限定して,合計3000名を募集する。同年6月6日から約半年間の予定で試験を行い,その後,本サービスに移行する。

 Mフレッツはフレッツ・ADSLなどフレッツ・シリーズのユーザに対して提供する。特徴は無線LANアクセス・ポイントを利用するユーザだけでなく,アクセス・ポイントを設置するユーザ向けのメニューもあること。つまりMフレッツのアクセス・ポイントは,基本的にユーザが設置することになる。

 アクセス・ポイントを利用したいユーザは「Mフレッツメイト」というメニューを契約する。対象はBフレッツ,フレッツ・ADSL,フレッツ・ISDNのユーザ。Mフレッツメイトの利用料として月額200円をNTT東日本に支払う。このほか,各ISPが設定するMフレッツメイト料金を支払う必要がある。

 フレッツ・ユーザは,フレッツ・シリーズの1契約当たり10個までMフレッツメイトのIDを取得できる。ISPのIDは別である。無線LANカードの条件は,IEEE802.11b対応であること。これはユーザが用意する。

 アクセス・ポイントを設置したいユーザ向けのメニューは「Mフレッツホスト」である。こちらは,フレッツ・ADSLとBフレッツのユーザが対象。追加費用は月額700円。これとは別に,同時に利用させるユーザ当たり月額200円を支払う必要がある。 無線アクセス・ポイントはユーザが用意する。

 設置したアクセス・ポイントの運用方法は二つある。一つは設置者があらかじめ設定した特定のMフレッツメイト・ユーザに対してのみ提供する形態。もう一つは不特定のMフレッツメイト・ユーザに利用を許可する形態である。後者の場合,設置者が認めれば,NTT東日本が用意するサイトに設置場所などの情報を掲載するという。

 無線区間の認証方式には「IEEE802.1x」を採用する。IEEE802.1xは,アクセス・ポイントに接続するユーザごとに異なる暗号鍵(WEPキー)を使える認証方式。無線LANアダプタとアクセス・ポイントの間は暗号化通信する。このため,Mフレッツホストを設置するユーザはIEEE802.1xで認証できるIEEE802.11b対応の無線LANアクセス・ポイントを用意する必要がある。

 Mフレッツメイトのユーザは,NTT東日本が供給するUSB接続のハードウェア・キーをパソコンに装着する。このハードウェア・キーの中に暗号化に使うための証明書とIDが入っている。対応OSはWindows XP/2000/98SE。Mac OSは検討中であるという。

(市嶋 洋平=日経バイト)