スクウェアが発売したネット接続型ゲーム「ファイナルファンタジーXI」をユーザが利用できない状態が続いている。同社は2002年5月16日にプレイステーション2向けにこのゲームを発売し,同日にネット接続のサービスを開始した。しかし翌17日の15時からサービスが断続的に停止しており,5月20日現在もその状態が続いている。

 ファイナルファンタジーXIはユーザ登録をしないと使えない。具体的にはDVDソフトに一つずつ割り振られたIDやユーザのクレジットカード番号をネット経由で登録して利用する。

 トラブルは三つの場面で発生した。まずゲームを始める前に必要な,ネット経由のユーザ登録。事前の予想以上にアクセスが集中しサーバへの負荷が高まったため一日に数時間の単位でサービスを停止した。次にファイナルファンタジーXIのゲーム提供サービス本体が停止した。この原因はハードウェアの障害。ハードウェアの交換など復旧作業を行っている。そして最後が,一部のISPとスクウェアのサーバ間でのユーザ認証。スクウェアのサーバで各ユーザのISPのIDを認証できなくなったため,ユーザがスクウェアのサーバにアクセスできなくなっていた。

 スクウェアは「テスト段階では問題はなくうまく動作したが,サービス開始後にサーバの接続機器に障害が生じた。ゲームのプログラム自体には問題はない」(広報)と説明している。サービスの中断に伴い,同社は5月16日から6月30日までの間に登録したユーザにはその間の利用料金を無料にする。

 ファイナルファンタジーXIは,ネットに接続して他のユーザとチャットをしたり協力して敵と戦えることが目玉。人気シリーズだけにユーザ数は多いことは明らかだったはず。ネット接続を前提にしたゲームが初めてであることを差し引いても,その人気の高さを考えれば,負荷テストがややお粗末だったと言わざるを得ない。

(堀内 かほり=日経バイト)

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