東芝は2002年5月20日,最大72時間の録画が可能なハード・ディスク・レコーダに,無線LANアクセス・ポイント機能とルータ機能を統合した「TransCube 10」を発表した。5月23日に出荷開始する。価格はオープンで,店頭予想価格は約13万円。ノート・パソコン向け周辺機器として販売する。

 80Gバイトのハード・ディスク・ドライブを搭載しており,テレビ・アンテナと接続することによりテレビ放送の受信と録画が可能。録画モードは画質(転送レート)により3モードあり,高画質(約6Mビット/秒),標準(約4Mビット/秒),長時間(約2Mビット/秒)から選択できる。長時間モードで最大約72時間の映像を録画できる。

 最大伝送速度が11Mビット/秒の無線LAN規格であるIEEE802.11bに対応したアクセス・ポイント機能を搭載。録画/再生用のアプリケーション・ソフトと無線LANクライアント用PCカードが付属している。PCカード・スロットを備えるパソコンとワイヤレスで接続してテレビ放送や録画した映像を楽しめる。無線LANで映像を送受信する場合は,自動的に2Mビット/秒のビットレートの動画像に変換される。

 ルータとしても使用可能で,PPPoE,NAT/IPマスカレード,DHCPサーバ機能も備える。WAN側,LAN側ともに1ポートのEthernetポート(10BASE-T/100BASE-TX)を装備した。インターネットで提供されるテレビ番組表であるiEPGを使って,テレビ番組の録画予約もできる。また,メールや携帯電話のiモードを使って,リモートからも録画予約できる。

 ただし録画予約はパソコンからしかできない。つまりTransCube 10単体では予約できないのである。また,映像は1台だけ。テレビに出力している場合はパソコンには出力できない。外形寸法・重量は,幅104×高さ219×奥行き319mm・約3.1kg。

(仙石 誠=日経バイト)

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