KDDIは2002年5月10日,最大伝送速度が2.4Mビット/秒の携帯電話データ通信サービスの試験を2003年4月から開始すると発表した。まず関東地区で試験を開始し,同年10月に関東地区で本サービスを開始する。2004年3月には提供エリアを関西,中部地区に広げる。

 方式の名称はCDMA2000 1xEV-DO(1x Evolution-Data Only)。データ通信のみに対応し,音声通信はできない。音声通信を行う際には,端末にVoIP(Voice over IP)の機能を搭載することになる。利用する無線の周波数は2GHz帯。

 KDDIは現在,第3世代携帯電話サービス「CDMA2000 1x」を提供している。データ通信の最大伝送速度が144kビット/秒である。

 CDMA2000 1xEV-DOのサービスは携帯電話のデータ通信料金を大幅に引き下げる可能性がある。1ビットのデータを伝送するのに必要なコストはCDMA2000 1xの10分の1程度になるからだ。「現在の数分の1程度の料金体系にして,いくら使ってもある一定額以上はかからないといった,使い放題に近い形の料金体系が提供できそうだ」(KDDI)という。

(市嶋 洋平=日経バイト)

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