2002年1月28日,本誌はYahoo! BBのADSLサービスで一部局舎でパケット漏洩問題が発生していたと既報した。これは,同じ局舎につながっているユーザがやり取りしているデータを,別のユーザがパケット・キャプチャ・ソフトで取得できるという問題である。

 Yahoo! BBはネットワーク構成の詳細は明らかにしていない。ただ,コストを抑えるため,スイッチング・ハブを使った巨大なLANのような構成になっていると見られている。スイッチング・ハブを使っているのなら,ユーザが意図的にスイッチング・ハブを攻撃しない限り,他のユーザのパケットを盗み見るのは難しい。

 では,今回の障害は何故発生し,ビー・ビー・テクノロジーはどのような方法で解決したのか。本誌はビー・ビー・テクノロジーを統括するソフトバンクに対し,この問題に関する詳細を明らかにするように依頼した。

 しかし,これに対し,ソフトバンクは「基本的に技術に関するご質問,第三者に関連するご質問につきましては,ノウハウ開示,第三者へご迷惑をかけることもありえるという観点から,回答につきましてはお控えさせていただきます」としか回答してこなかった。唯一,「今回の事件についてどう考えているか」の問いに対し,「ビー・ビー・テクノロジーでは今回ご指摘いただいた件に関して,誠心誠意,改善に向けて対応させていただきました。今後もユーザ様からの貴重なご意見を参考にさせていただき,より快適なブロードバンドの環境をお楽しみいただけるよう努力してまいります」とだけ答えた。

 「障害が発生した以上,その原因と対策は明らかにすべきである。推測や噂レベルの話ではなく,真実を公表しなければ,今後安心してYahoo! BBを使うことができなくなる」との本誌の主張とはまったくかみ合わなかった。未だ,真相は藪の中のままである。