松下電器産業は,同社のインターネット接続サービス「Panasonic hi-ho」でIPv6による専用線接続の試行サービスを2001年秋から始める。料金などは未定。また来年度には個人向けのIPv6常時接続サービスも始める。

 これと並行する形で,IPv6を利用したアプリケーションとして,2001年末からインターネット電話のテストも実施する。試行サービスを社内でも利用して,同社の大阪と東京の事業所間をIPv6の専用線で接続し,IPv6ベースのネットワークを構築する。ここに大井電気製のインターネット電話用アダプタ経由で,電話機を接続する。通話を制御するプロトコルとしてはNOTASIP(Nothing Other Than A Simple Internet Phone)を用いる。当初は数十台規模で実験する。

 同社はIPv6の立ち上がり時期のアプリケーションとしてはインターネット電話が有力と見ている。IPv6を用いるとIPv4の時よりも安価にインターネット電話を実現できると考えているからだ。IPv4では電話機ごとにグローバルIPアドレスを固定で割り当てるのは難しく,中継装置が必要とする。しかしIPv6ではインターネット電話機ごとに固定のグローバルIPアドレスを割り当てられるので,中継装置は不要になる。そのぶん設備投資を低くできるという。

(和田 英一=日経バイト)