ヤフーは2001年9月4日,同社などソフトバンク・グループが手がけるADSLサービス「Yahoo BB!」において,接続状況の悪いユーザ向けに特別なモデムを提供すると発表した。

 ReachDSLという距離による信号の減衰やISDNとの干渉に強いDSLモデムを採用する。通信速度は上り,下り合わせて最高約1Mビット/秒である。「都内で試験的に行ったサービスでは90kビット/秒のユーザが750kビット/秒まで改善した。途中に光ファイバが敷設されている問題を除けば,すべてのユーザにサービスを提供できると考えている」(ソフトバンクの孫正義社長)という。

 ReachDSLは米Paradyne社が開発・販売している。すでに長野県協同電算(JANIS)が導入した。ReachDSLは300kHz以下の周波数帯域を使用するため,1MHzまでの帯域を使うADSLモデムと比較すると信号の減衰やノイズの影響を受けにくい。また信号のピークが100kビット/秒以下で,日本のISDNとの干渉も問題になりにくい。

 ReachDSLを使ったサービスは,2001年9月中に主要なNTT局舎エリアのユーザに対して提供を始める。具体的な局舎名や時期については明らかにしていない。月額利用料は現行のADSLモデムを使用する場合と同じである。

(中道 理=日経バイト)