『日経マーケット・アクセス』(http://ma.nikkeibp.co.jp/)の調査によると,企業やSOHO(Small Office/Home Office)で一般的に使用される専用線型インターネット接続サービスの契約回線数は,大手ISP(Internet Service Provider)40数社の単純合計で,2000年9月末に約8万に上った。2000年3月末に比べて約1万7000回線,27%の増加である。

 専用線型インターネット接続サービスの回線数は,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)を初めとする通信キャリアのシェアが高い。トップのNTTコムは2000年9月末時点で4万7000回線と,依然として過半数を占めている。3月末に比べて1万1500回線の増加,伸び率は全体平均より高い32%だった。1999年度下半期の伸び率(27%)も上回って,さらに加速した格好だ。NTTコムの契約回線の大半は,いわゆるエコノミー・タイプのサービスと見られる。このサービスの提供地域の広さが増加の原動力となっている。

 契約回線数が2番目に多いのは,この10月に合併したディーディーアイ(KDDI)である。2000年9月末は旧DDI分と旧KDD分を合わせて1万4300回線だった。ただし,回線数の伸び率だけを見れば2000年度上半期は18%増となり,1999度下半期(42%増)を下回った。以下,9月末の回線数がおおむね明らかになっているISPでは,日本テレコムが4000回線前後(日経MA推定),インターネットイニシアティブ(IIJ)が2372回線,地域系NCCの大阪メディアポート(OMP)が850回線,富士通が約700回線(インターネット・データ・センターで,顧客ごとに一定の帯域を確保しているユーザーを含むと1100回線)といった順である。

 インターネット接続サービス市場では回線の高速化も進んでいる。今回の調査で契約回線の総帯域幅を明らかにしたISPのデータを見ると,ほとんどは回線数を上回るペースで総帯域幅が増加している。

 例えばIIJは,2000年度上半期の回線数の伸び率が18%増だったのに対して総帯域幅は74%増だった。OMPも同じく,回線数が26%増に対して帯域幅は56%増に上った。

(松井 一郎=日経マーケット・アクセス)