XFree86-4.0.2がリリース,新搭載の国際化APIに批判も
XFree86 Projectは2000年12月19日,「XFree86 4.0.2」をリリースした。XFree86は,同プロジェクトが開発する無償で再配布と改変が可能なX Window Systemである。対応ハードウエアの拡充やバグ修正,フォントのアンチエイリアシング機能の追加などが施された。ロケール・モデルに依存しない新国際化APIも追加されたが,アプリケーションの互換性を維持できなくなるとの批判も出ている。
XFree86 4.0.2の主な変更点は以下の通りである。
- 対応プラットフォームに「Mac OS X」を追加
- PowerPCでの動作に対応
- nVidia GeForce2対応
- ATI Radeonに対応
- S3 Savage対応
- VESAドライバ追加
- DRI対応カードの増加
- XineramaのBIGエンディアン問題解決
- render拡張機能の追加
- Xlibの国際化機能を拡張
上記のうち,最後の2つはXFree86の独自拡張なので注意が必要だ。XFree86 Projectは,XFree86 4.0から,X.org(The Open Group)が定めるX Window Systemの仕様にはない独自機能を積極的に盛り込み始めている。
render拡張は,イメージ合成やアンチエイリアシングに対応する,XFree86独自のXプロトコル拡張である。他のいくつかの拡張機能と同様,独立したライブラリ(Xftライブラリ)の形で提供されている。この機能を利用すると,画像の重ね合わせやアンチエイリアスを施した美しいフォント描画などが可能になる。
これに対し,もう1つのXlibの国際化機能拡張は,X Window Systemの標準ライブラリXlibに新しい関数群を付加する形で行われている。新たに追加された関数群は,既存のロケール・システムに依存しない形でUTF-8(Unicode)を取り扱うためのものである。
批判相次ぐ「国際化機能拡張」
重要なのは,これが単なるUTF-8対応ではないという点だ。UTF-8に対応するためだけならば,既存のロケール・システムの枠組内でUTF-8用のロケールを追加すれば良い。同プロジェクト・チームが独自にUTF-8用の関数群をXlibに加えた背景には,近い将来に「Unicode以外のロケールを廃止したい」考えがあると見られる。事実,それに近いロードマップ私案が開発メーリング・リストにおいて提示されている。
これらの関数群の追加に対しては,同プロジェクトの参加者らの中からも,「既存システムとの互換性が損なわれる」,「公開は時期尚早で混乱を招くだけである」などの批判が相次いでいた。XFree86 4.0.2のリリースでは,議論が収束しないままでの強行リリースという形となり,プロジェクトのコア・メンバーに対する不信の声も挙がっている。このままでは,プロジェクトが分岐する恐れすら出てきた。XFree86というLinuxにとっても重要なソフトウエアの,しかも国内のアプリケーションに大きな影響を持つ国際化機能についての議論だけに,今後の動きが気になるところだ。
(末安 泰三=sueyasu@nikkeibp.co.jp)
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