SAPジャパンは、J2EEバージョン1.3に対応したサーバー製品「SAP Web Application Server6.20」を発表、9月25日から開催中のJavaOne Japanに展示した。今後のSAP製品は、すべてこの製品に対応する。つまり、SAPの全製品がJ2EEによる開発機能を標準搭載することになる。

 この製品は「従来のSAPの統合基幹業務ソフト+J2EE対応アプリケーション・サーバー+Webアプリケーション開発支援機能」という位置付け。SAP製品はABAPと呼ぶアプリケーション開発環境を提供しているが、この新版ではABAPに加えてJ2EEによる開発環境を提供する。さらに、J2EE上のWebアプリケーション開発支援機能「Web Dynpro」を提供する。

 J2EE対応になることで、WebアプリケーションとSAP製品との連携が容易になる。その第一弾として、イーシー・ワンのJ2EE対応フレームワーク製品「cFramework」が動作することを確認した。JavaOne展示会場では、cFramework上のECサイト構築パッケージ「cShopping」を動かすデモンストレーションを見せた。イーシー・ワンでは、今後検証作業を進めてcFramework対応サーバー製品のリストにSAPを追加する予定。

 SAPジャパンは、J2EE対応の狙いを次のように語る。「今までは、SAP R/3を導入した顧客がWebアプリケーションに対応するため、BEA WebLogicやIBM WebSphereといったJ2EEアプリケーション・サーバーを別途導入している例が多かった。この新製品で、一つの製品の上でJ2EEベースのWebアプリケーションを開発でき、しかも既存のSAP上のアプリケーションと密に連携できる」(SAPジャパン ISIマーケティング ディレクターの菅沼隆太氏)。具体的には、SAPが提供するビジネス・オブジェクトとJavaプログラムを連携する「SAP JCo」などの機能を備え、既存アプリケーションとJ2EEアプリケーションを密に連携できるようにしている。。

 イーシー・ワンは、cFrameworkをSAPに対応させる狙いとして、「新規ビジネスのチャンスと捉えている。将来的には、SAP R/3対応のEJBコンポーネントなどを、cBank(イーシー・ワンが運営するコンポーネント流通機構)に登録してもらえるように持って行きたい」と説明する。