SkyArts.comは,Java搭載の携帯電話に対応したスケジュール管理ソフトなどを開発,プレビュー版を公開した。Java搭載携帯電話の上で動作させ,携帯電話をPDA(携帯型情報機器)として利用できるようにする。ソフトの名称は「X21」,稼働環境はJ2ME(Java2 Platform, Micro Edition) MIDP(Mobile Information Device Profile) である。

「X21」は次の6種のプログラムから構成する。(1)時計,(2)アドレス帳,(3)電卓,(4)スケジュール管理,(5)メモ帳,(6)ToDoリスト。従来も,スケジュール管理などのケータイ向けサービスはあったが,電波が届かない場所では使えない。X21では,スケジュールなどの情報は携帯電話のローカル・ストレージに格納するので,電波が届かない場所でも利用でき,通信費も気にしなくて済む。Java搭載携帯電話向けプログラムを発表したベンダーは数社あるが,大半はゲーム・コンテンツ。このソフトのように実用を狙ったアプリケーションの発表は,現時点では珍しい。ただ,実用を考えると,既存のPIMソフトとの同期機能などが欲しいところ。SkyArts.comでは「このソフトのビジネス展開に向けパートナー企業を募りたい」としている。

稼働環境はJ2ME MIDPだが,日本国内では,J-PHONEがJ2ME MIDPに対応したJava搭載携帯電話を市場投入することを表明している。ただ,実機はまだ登場していない。現時点でこのソフトを試す方法は,米Sun Microsystems社が提供するJ2ME MIDPエミュレータの上で動作させることである。

なお,NTTドコモがこの1月にもリリース予定の「503iシリーズ」は,J2ME MIDPではなくNTTドコモ独自仕様のJava環境(iモード対応Java)を搭載する。SkyArts.comでは,「X21のiモード対応Java対応版の開発予定もある」としている。ただ,「X21」を構成する6種のプログラムを合計したJARファイルのサイズは39Kバイトある。iモード対応Javaの「iアプリケーション」は,一本のJARファイルが10Kバイト以下という制限があるため,iモード版では構成を変更することになるだろう。

プレスリリース

「X21」製品情報ページ(ダウンロード/実行の方法を記載)