昨日8日の更新を怠った。その前日7日の早朝、校正紙(ゲラ)を紛失するという失態をしでかしてしまい、仕事が滞った影響である。

 筆者は記者の仕事を始めて今年で20年目に入った。この間、校正紙(ゲラ)を無くすなどという大失態は一度もしたことがない。偉そうに書いているが、ゲラは通常社内で読むものなので、無くしようがないのである。

 危険があるとしたら、ゲラを社外に持ち出したときだ。今回、よりによって新雑誌の船出直前になって、生まれて初めての失敗をした。顛末は以下の通りである。

6月7日(月曜)
0時:新雑誌用記事校正紙の最終確認を自宅で開始。土日は私用が立て込んでおり昼間に校正ができなかった。
3時:校正を終了。巻頭に掲載する記事と、イノベーターを紹介する人物記事の2本。
3時30分:さっさと寝ればよいのであるが、昼間買った雑誌数冊を読んでから就寝。
5時30分:起床。非常に眠い。
6時30分:自宅を出てJRのY駅へ向かう。やや強い雨。
7時20分:JRのI駅で下車、地下鉄に乗り換え。
7時25分:地下鉄の改札を通ろうとして、妙に肩が軽いことに気付く。デイパックというのかリュックというのか、要するに持ってきたカバンがない。JRの網棚に置き忘れたのである。しばし唖然とする。顔面蒼白になったと書きたいが、もともと顔色は悪い。JRの改札へ戻る。
7時30分:JRの駅員に相談。プラットホームの事務室に行って忘れ物をしたと申告。乗っていた車両の位置、リュックの色や形状を伝達。「何が入っていますか」と聞かれ、思わず「紙の束」と言ってしまう。ゲラのことである。ゲラが一番大事であり、ゲラを回収しないと、たいへんなことになる。出社して一から校正をやり直すと、時間的に間に合わない。
 この日は背広を着ておらず、普段は背広のポケットに入れておくものまでリュックに入れてあった。列挙すると、自宅の鍵、財布(紙幣用と小銭入れの両方)、クレジットカード、事務所の入退室用カード、社員証である。さらに通帳と銀行用カードも一緒に入れていた。これを一気に無くしてしまうと、なかなか恐ろしいことになる。
7時40分:駅員から、「列車がO駅に到着したところで確認しますからお待ちください」と言われ、事務室で待機。
7時50分:O駅より「ありました」と連絡。一安心。駅員に礼を言ってO駅へ向かう。
8時20分:O駅へ到着。事務室にてリュックとご対面。ゲラがあるのを確認し、「これです。ありがとうございました」と言うと、「財布とか見たほうがいいのでは」と駅員から言われる。一応、財布を確認。届け出書に署名をし、駅員に礼を言って事務室を出る。今後、JR東日本について批判的なことを書くのは止めようと心に誓う。
8時55分:出社。仕事前から疲れてしまった。
9時~22時:ひたすら校正紙を確認。
23時:退社。

6月8日(火曜)
5時40分:起床。
7時40分:出社。最後の校正紙を確認。
9時:ビジネスイノベーターというWebサイト向けの原稿を書く。
11時:いくつかの電話連絡、メール処理。
12時:日経情報ストラテジー編集長と打ち合わせを兼ねた昼食。まともな昼食をとったのは久しぶり。日中、外に出たのもひさしぶり。
14時:日経ビジネスEXPRESSというWebサイト向け原稿を書く。
16時:日経ビジネス編集部に行き、別件の打ち合わせ。「まもなく校了(編集制作作業が終了すること)です」と言うと、M副編集長が肩をもんでくれた。
17時:すべての校正が完了という連絡が入る。後は印刷すれば船出号のできあがりである。
19時:日経ビジネスEXPRESS用原稿の校正。
20時:退社。編集部の面々と校了を祝して食事に行く。禁酒中なので烏龍茶。
22時30分:散会。そのまま帰宅。酒を飲まないと暴走しないのでよい。