米Intelが,世界13都市で無線通信技術の活用を進める計画を米国時間8月18日に発表した。テキサス州コーパスクリスティや台湾の台北,大阪といった都市で,他ベンダーと協力して無線LANなどを応用したシステムの展開を試験的に行う。

 Intel社の計画は,無線通信技術で地方政府のサービス改善を図る取り組み「Digital Communities」の一環。活用例として,同社は電気や水道などのメーター検針,ビルの検査,自動車の位置捕捉などを挙げる。活動には,米Cisco Systems,米Dell,米IBM,ドイツSAPなどが参加している。

 コーパスクリスティでは,大規模な多目的無線ネットワークの展開を進めており,サービス地域の面積はまもなく147平方マイル(約381平方km)になるという。メッシュ・ネットワーク技術や各種セキュリティ技術を採用し,個人や公共機関が同一のインフラを使用する。コーパスクリスティ当局は「職員の70%がサービス地域内におり,ビル検査,ビデオ監視,車両位置監視といったソリューションで大きなメリットが得られる」と見込む。

 また台北では,無線通信技術を教育と市民サービスの向上に利用している。市民向けのオンライン大学教育プログラムを700講座近く開設したほか,事務処理のペーパーレス化,セキュリティ監視,交通システムなど多くの分野で効率改善につながっているという。

 Intel社販売&マーケティング部門担当副社長兼ディレクタのAnand Chandrasekher氏は「無線通信技術が発展を続けるので,地方政府は,低価格で平等に利用可能なブロードバンド接続サービスの提供や,市民サービスの効率化といった重要な問題を解決するにあたり,よい機会を得られる」と述べる。

 Digital Communitiesにもとづく試験プログラムには,オハイオ州クリーブランド,ペンシルベニア州フィラデルフィア,オレゴン州ポートランド,ブラジルのマンガラチバ,ドイツのデュッセルドルフ,ハンガリーのジェール,イスラエルのエレサレム,モナコ公国,韓国ソウル,英国ウェストミンスターも参加する。

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