米EMCは米国時間8月17日,仮想化技術を手がける非公開企業の米Rainfinityを買収することで両社が最終合意に達したことを発表した。買収金額は1億ドル弱となる見通し。手続きは,8月末までに完了する予定。

 Rainfinity社は異種混在プラットフォームにおけるNASやファイル・システムを仮想化するソフトウエア「RainStorage」を提供する。同ソフトウエアによって,Windows,Linux,UNIXベースのファイルを自由に読み書きできるため,「ネットワーク・ストレージの利用率向上,スムーズなデータの移行,ネットワーク・ストレージの迅速な統合や,パフォーマンスの最適化などを実現できる」(EMC社)。

 米メディア(InfoWorld)によると,EMC社は今年に入ってからRainStorageの再販を手がけている。2005年第4四半期には同ソフトの新版を,新しいアプリケーション・モジュールと共にリリースする予定という。

 EMC社Corporate Marketing and Office of Technology担当執行副社長のHoward Elias氏は,「非構造型ファイル・ベースの情報が急増し,その管理が複雑化したことで,ユーザーはNASに対して,SAN同様の利用効率を期待するようになった。Windows,UNIX,Linuxのファイル・システムを仮想化するRainfinity社の技術は,異機種が混在するNASやファイル・サーバーの総所有コストを向上できる」と説明した。

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