米QUALCOMMは,モバイル向けコンテンツ配信ソフトウエア・ベンダーの英ELATAを現金5700万ドルで買収した。QUALCOMM社が米国時間8月17日に明らかにしたもの。ELATA社の無線コンテンツ配信システムとQUALCOMM社の携帯電話用アプリケーション・プラットフォーム「BREW」を組み合わせることで,「携帯事業者は,無線データ・サービスをモジュール式で幅広く提供できるようになる」(QUALCOMM社)としている。

 新たな統合配信システムでは,すべてのデバイス・プラットフォームに対応したコンテンツ・サービスをまとめ,着信音や壁紙のほか,BREW,Java,OMAに準拠したコンテンツなどを一元的に管理することが可能という。WCDMA(UMTS),GSM,CDMA2000ネットワークに対応する。

 QUALCOMM社Internet Services部門プレジデントのPeggy Johnson氏は今回のELATA社買収について,「欧州を中心とする世界の携帯事業者に向けて革新的で柔軟な無線コンテンツ配信および管理システムを提供するための当社の取り組みを進めるもの」と説明する。「この買収により,1)コンテンツ配信全般を支援しつつ,オープンな標準規格を通じて既存デバイスとの下位互換を保持する,2)世界の携帯事業者のニーズへの対応を強化する,3)ハードウエアを追加することなく新たな付加価値サービスをすばやく市場投入することが可能になる」(同氏)

◎関連記事
米QUALCOMM,モバイルへのコンテンツ配信に向け新しい2つのマルチキャスト技術を発表
「2005年Q2のデータ対応モバイル機器市場,世界出荷台数は前年同期の倍以上」,英調査
「全世界の携帯電話機出荷台数,2009年には10億台を突破」,米調査
「米国2.5/3Gモバイル・データ・サービス市場,2006年には約15億ドル規模に」,米調査
「米国世帯で進む携帯電話利用,4台以上所有世帯は前年比57%増」,米調査
「米国携帯電話キャリアの顧客満足度は米Verizonと米T-Mobileがトップ」,米調査
「携帯電話利用者の半数以上がTV付き携帯電話に興味なし」,米Lyra Researchの調査
W3C,モバイル機器のWebアクセスを快適にする取り組み「Mobile Web Initiative」をスタート

[発表資料へ]