米IDCは,世界IT支出に関する調査結果を米国時間8月15日に発表した。それによると,世界IT支出は2005~2009年にかけて年平均5.9%で増加し,2009年末には1兆3000億ドルに達する見込みという。

 IT支出の大幅な成長が見込める分野は,政府機関,製造,銀行など。さらに,ヘルスケア,コミュニケーション/メディアなどの業界も,大きく伸びる可能性がある。

 IDC世界垂直市場調査サービス担当プログラム・マネージャのAnne Songtao Lu氏は「垂直市場のIT支出見通しは引き続き楽観的だ」と述べる。コミュニケーション/メディア分野のIT支出は,2005年に950億ドルに達する見込みで,2009年には1280億ドルに拡大するだろう」(同氏)

 IDCによれば,消費者のIT支出(ITサービス,周辺機器,パソコン)が2ケタ成長で推移しており,同市場の潜在性は他の市場を長期間上回る。「消費者市場とコミュニケーション市場の両方で興味深い動きがあり,今後の成り行きを注意深く見守る価値はある」(同氏)

 同社はさらに,興味深い分野として,通信や金融を挙げている。「通信会社では,2005~2009年にかけて,3Gなどの最新サービスや,IPベースのコア・インフラ移行などに関する継続的なIT投資が行われる」(同社)

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