米Jupitermediaの一部門であるJupiterResearchは,オンライン広告市場の今後の動向について調査した結果を米国時間8月8日に発表した。それによると,2004年末には93億ドル規模だったオンライン広告市場は,2010年には189億ドル規模へと倍増する見通し。「この成長は,オンライン広告が広告主の信頼を得ただけでなく,2010年には検索エンジン広告が大きく伸びるため」(同社)

 今後5年間で,ディスプレイ広告が年平均成長率(CAGR)7%で推移するのに対し,検索エンジン広告はCAGR12%を超えるという。「2010年には,検索エンジン広告の売上高が,ディスプレイ広告のそれを上回る」(同社)

 「検索エンジン広告は,驚異的な勢いを見せている。検索エンジンを利用して製品を販売する広告主は増加の一途をたどっており,オンライン広告の全体的な効率化にもつながっている」(JupiterResearch社シニア・アナリストのGary Stein氏)

 検索エンジン広告のほかにも,オンライン広告市場の拡大に貢献している要素がある。個人広告は2010年に41億ドルに達する見込み。さらに,ブロードバンド接続世帯が増えたことで,広告主はリッチ広告やストリーミング・メディア広告に力を入れている。この結果,2010年までの年平均成長率が,リッチ広告は25%,ストリーミング・メディア広告は30%となり,売上高はそれぞれ35億ドル,9億4300万ドルに達する。

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