米IBMが,グリッド・コンピューティング関連ハードウエア,ソフトウエア,サービスを一括提供するパッケージ製品「IBM Grid and Grow」を,米国時間8月8日に発表した。IBM社のブレード・サーバー用プラットフォーム「BladeCenter」を中心に構成する。価格は4万9000ドルから。直ちに利用可能とする。

 同製品について,同社は「企業のグリッド・コンピューティング導入を支援できる組み合わせとした」と説明する。「ただし,Grid and Grow(グリッドで成長)という名前が示す通り,要求の拡大に応じてシステムを拡張できる」(同社)

 Grid and Growの内容は以下の通り。

・ハードウエア:
 米Intel製プロセサを搭載する「IBM eServer BladeCenter HS20」,POWERプロセサ・ベースの「同JS20」,BladeCenter用のOpteronプロセサ「AMD Opteron LS20」が選択可能。標準構成できょう体1台とブレード7枚を組み合わせる。管理ソフトウエア「IBM Director」も付属する

・スケジューリング・ソフトウエア:
 処理の負荷や内容に応じて「Altair PBS Professional」「DataSynapse GridServer」「Platform LSF」「IBM LoadLeveler」を選べる

・OS:
 Linux(Red HatまたはNovell SUSE),Windows,AIX 5Lに対応する

・サービス:
 導入調査,スケジューリング・ソフトウエア導入,調整,試験,トレーニングといったサービスを用意する

 さらに,動的なサーバー設定,ソフトウエア・ライセンス管理,ストレージ管理などを行うために,「Tivoli」製品系列の最適化ソフトウエアも利用可能とする。

 Grid and Growの展開にはIntel社も協力し,教育プログラム,システム設計,契約交渉などを行う

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