オーストリアのウイルス作者が,Windows用シェル環境の新版「Microsoft Command Shell(MSH)」(開発コード名は「Monad」)で動作するウイルス5種類を,あるウイルス関連雑誌で公開した。フィンランドのF-Secureが現地時間8月4日に明らかにしたもの。MonadはWindows OSの次期版「Windows Vista」への搭載が予定されており,「Windows Vista初のウイルスになる可能性がある」(F-Secure社)。

 同ウイルスはウイルスの実現性を証明するために作ったもので,外部に漏れて感染を広げる危険はないという。

 Monadは,CMD.EXE,COMMAND.COM,4NT.EXEといったWindows用シェルの後継プログラムで,2006年に出荷する予定。「(当初Windows Vistaとともに出荷する予定だったが)最近のうわさではWindows Vistaへの搭載は見送り,『Microsoft Exchange 2006』などに入れてリリースするらしい」(同社)

 同社によると,米SymantecのEric Chien氏が2004年に開催されたウイルス関連カンファレンスVirus Bulletin 2004の講演で,MSHウイルスの可能性を予測していたという。「MSHは現在開発中だが,現行バージョンにはファイルに感染するウイルスなどさまざまなマルウエア作成に使える機能がたっぷりある」(同氏)

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