オープンソースのWebサーバー・ソフトウエア開発を手がけるApache Software Foundation(ASF)は,Java対応のオープンソース・リレーショナル・データベース(RDB)エンジン「Apache Derby 10.1.1.0」を公開した。ASFが米国時間8月3日に明らかにしたもの。Derbyとして初めての正式リリースで,ビルド番号は208786。
同RDBエンジンの開発は,オープンソース化された米IBMのRDB製品「Cloudscape」をベースに行った(関連記事その1,その2)。IBM社は50万行を超えるソースコードを公開するとともに,技術情報なども提供している。
APIには,標準的なSQLとJava Database Connectivity(JDBC)を採用。JDBCドライバ付き内蔵エンジン,ネットワーク・サーバー,ネットワーク・クライアントJDBCドライバ,コマンド・ライン用ツールを備える。
バージョン10.1.1.0では,新しいネットワーク・クライアント・ドライバにより,「IBM Universal JDBC Driver」がなくても「Derby Network Server」にアクセスできるようになった。Java開発キット(JDK)1.3/1.4/1.5,組み込み向けJava仕様Java 2 Micro Edition(J2ME),JSR-169,JDBC 2.1/3.0に対応した。バージョン10.0.2.1から指摘されていたJIRAの問題も修正した。
◎関連記事
■米IBMとイスラエルZend,PHP環境にデータベースを連携させるツールを提供開始
■米IBM,オープンソース化したDBMS「Cloudscape」に関するリソースを無償提供
■米IBM,Javaリレーショナル・データベースのコードをオープンソース化
■スウェーデンMySQLがオープンソースDB「MySQL 5.0.3」ベータ版を公開,最終版は第2四半期末に
■「MySQLをサポートするベンダーは100社以上」,スウェーデンMySQLが発表
■米新興企業がPostgreSQLをベースにした企業向けRDBMSを発表
■「2004年のRDBMS世界市場は11.6%成長,トップ5ベンダーは前年と変わらず」,米調査
■米CAがオープンソース戦略を発表,RDBMS「Ingres」のソースを公開
[発表資料へ]