米EMCは米国時間8月4日に,情報ライフサイクル管理(ILM)戦略の推進に向けた計画ついて明らかにした。「当社は情報ストレージからILMへの展開を果たしてきた。今後も,あらゆる規模の企業に対し,複雑さを増すITインフラの管理と情報価値の向上を実現するための,より革新的で優れた手段を提供する」(同社社長兼CEOのJoe Tucci氏)

 同社経営陣の推測によると,2006年の情報インフラ市場は前年比7%増の550億ドル規模に拡大する。同社は,小~大企業がそれぞれの情報インフラのニーズに合ったILM戦略を導入できるよう支援することで,市場成長の波に乗りたい考えだ。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,同社の市場シェアは現在19%だが,「来年はシェア20%獲得を狙う」(Tucci氏)。同社は今後6~9カ月のあいだに各種ソフトウエアを発表する予定である。また,ストレージ仮想化製品「Invista」を2006年終盤~2007年初頭にリリースする。最近買収した米Smartsの技術を用いたリソース管理製品は今年中に投入する。

 さらに同社は情報セキュリティ管理に注力する。「既存の技術資産と能力を活用するほか,製品とサービスの強化を図り,業界パートナとの協力を進める」(同社)

 なお,Tucci氏と同社CFOのBill Teuber氏は,「2005年通期の業績見通しは従来通り」としている。同社は2005年通期の売上高を前年比17%増,希薄化後の1株当たり利益を0.50~0.51ドルの範囲と見込む。また2006年の売上高は,市場全体の成長率(7%)を2倍上回り,約110億ドルに達するとみる。

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