米Intelは,世界各地の新興市場に適したコンピューティング・プラットフォームを検討する設計センター「platform definition center」を,インドのバンガロール,エジプトのカイロ,ブラジルのサンパウロ,中国の上海に開設する。Intel社が米国時間8月1日に明らかにしたもの。

 各センターでは,各地の気候,電力の供給状況,需要に合わせてプロセサやマザーボードなどのプラットフォーム設計を行う。対象市場は現地国だけでなく,バンガロール・センターは南アジア,カイロ・センターは中東,サンパウロ・センターは中南米,上海センターは東アジアをカバーする。発展途上国などほかの地域にも,センターの活動成果を適用する可能性がある。

 プロセサやマザーボードなどのハードウエアと,各種ソフトウエアを組み合わせ,運用試験や相互接続性検証を実施する。各地で技術支援活動の展開も計画している。たとえば中国では現地OEMベンダーと協力し,2005年初めに子供向けパソコン教育活動「learning PC」の運営を開始した。

 Intel社副社長兼チャネル・プラットフォーム・グループ・ジェネラル・マネージャのBill Siu氏は「地域によって,技術格差,低い識字率,インフラの不備,厳しい環境条件など,それぞれ異なる問題が存在している」と説明する。「各センターで個々の問題に集中して取り組み,現地市場の独特な要件に合ったソリューションを開発する。こうした条件を認識することで,さらに10億人のユーザーにパソコンを普及できるだろう」(同氏)

 なお,チャネル・プラットフォーム・グループの本部は上海に設置する。

◎関連記事
米Intelが機構改革を発表,「戦略に沿って」5部門を新設
「2005年Q2の世界PC出荷台数,予測を上回る15%増」,米Gartner
「05年Q2の日本を除くアジア太平洋PC市場,出荷台数950万台で前年同期比17%増」,米調査
「2005年の中国PC/周辺機器市場,前年比40%増の1390億ドル規模」,米調査
「2005年世界IT支出の増加は減速,中国,インド,ロシアが大きく成長」,米IDC
「2010年の世界PC台数は現在の約2倍に,新興市場の増加が顕著」,米調査
米Microsoft,「Windows XP」の廉価版をインドでも発売
米Microsoft,「Windows XP」のPC初心者向け廉価版をタイなど5カ国で試験提供へ

[発表資料へ]