米Googleが元米Microsoftの幹部を採用したことについて,ワシントン州上位裁判所は,同幹部のGoogle社移籍を一時的に差し止める命令を下した。同裁判所が米国時間7月28日に発表したもの。

 Google社は中国に研究開発センターを新設する計画を7月19日に発表。同センターの責任者に元Microsoft社幹部のKai-Fu Lee氏を任命した。Lee氏は音声認識および人工知能分野の研究で知られる人物。Microsoft社でNatural Interactive Services部門のコーポレート・バイス・プレジデントを務め,1990年代後半に同社の中国研究所Microsoft Research Chinaを立ち上げた。

 これに関してMicrosoft社は,Google社とLee氏を相手取り訴訟を申請。同氏のGoogle社入社が,Microsoft社と同氏が交わした従業員の機密保持および非競合に関する契約に違反すると主張した。

 今回,上位裁判所は,Lee氏の転職により事業に影響を受けかねないとするMicrosoft社の懸念に正当な根拠があると認め,仮差し止め命令を発した。

 これによりLee氏は,Google社入社を保留するか,入社した場合でも,Microsoft社勤務時に手がけていた製品,サービス,プロジェクトと類似した業務に従事することはできない。

 なお裁判所は,Microsoft社の主張が不当だと判断された場合の保証金として,100万ドルを用意するようMicrosoft社に命じている。

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[発表資料(PDF)]