米Microsoftは米国時間7月25日に,正規Windows推奨プログラム「Windows Genuine Advantage(WGA)1.0」の開始について明らかにした。これまで試験運用を行っていたWGAを,世界規模で正式展開する。

 WGAは,同社の偽造ソフトウエア防止対策の一環で,「正規Windowsソフトウエアと偽造品の価値を区別することにより,ユーザーが正規品を使っている確信を持って,本物のWindowsのみで提供する機能を活用できるようにする」(同社)。

 ソフトウエア業界団体のBusiness Software Alliance(BSA)の調査によると,偽造ソフトウエアがソフトウエア・ベンダーや国家経済に与える損失額は,年間で数十億ドルにのぼるという。Microsoft社は,「偽造ソフトウエアを撲滅する一つの手段は,正規品が提供するすべてのメリットをユーザーに認識してもらい,それらを提供すること」と説明する。

 WGA 1.0の主な特徴は以下の通り。

・「Windows Update」および「Microsoft Update」の更新プログラムや「Download Center(DC)」を利用するすべてのユーザーは,WGAによる認証が求められる。ただし,セキュリティ・アップデートは,WGA認証の有無にかかわらず,DCや「Automatic Updates」を通じてアクセス可能

・WGAの試験運用で正規Windowsソフトウエアのユーザーに提供してきた付加価値ソフトウエアを総額約450ドル相当に拡大する

・認証プロセスを簡素化し,パソコンに正規Windows製品をインストールしているか自動でチェックできるようにした。「25桁のプロダクト・キーを入力する手間が無くなった」(同社)

・偽造品と知らずに海賊版「Windows XP Professional Edition」「同Home Edition」を購入してしまったユーザーに,Windows XP Home Editionを99ドルで,Windows XP Professional Editionを149ドルで提供する。ユーザーは偽造品の報告書,購入証明書,偽造ソフトウエアのCDを提出する必要がある

 同社Windows Client Business部門バイス・プレジデントのWill Poole氏によると,10カ月にわたる試験運用期間中に,4000万人以上のユーザーがWGAに参加したという。「ユーザーは,海賊版について懸念を抱き,自身が使っているソフトウエアが正規品かどうかを確認する手段を求めている」(同氏)

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