米連邦上院/下院議会の複数議員が米国時間7月18日に,報道関係者に情報ソース開示拒否権を与える法案「Free Flow of Information Act of 2005」(上院向けが「S.1419」,下院向けが「H.R.3323」)をそれぞれの議会に提出した。

 両法案はいわゆる“メディア保護法”であり,「国家の安全保障を脅かす差し迫った危険が実在し,それを回避する必要がない限り,連邦政府は情報源開示を拒む報道関係者を罪に問えない」としている。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,米国では31州とコロンビア特別区が両法案と同様のメディア保護法を施行しているが,連邦政府レベルの法律は整備されていない状態にある。そのため,34州の州検事総長が連邦最高裁判所に対して,立法に賛成する意見書を提出したという。

 そのほかの同誌の主な報道内容は以下の通り。

 両法案は,新聞,書籍,雑誌,紙および電子媒体による定期刊行物の発行者,放送/配信サービス業者を保護対象としている。ただし,上院で開催された聴聞会では,ブログ発行者(ブロガー)に報道関係者と同等の拒否権を与えるかどうかについての意見はまとまらなかった。「ジャーナリズムはプロである必要はなく,New York Times紙と同じ権利を零細パンフレット業者にも与えた方がよいと考える」(米New York Times紙政治コラムニストのWilliam Safire紙)といった意見の一方で,「匿名でブログを運営するブロガーもおり,責任放棄につながりかねない」(テキサス州選出の共和党上院議員John Cornyn氏)といった懸念も出た。

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[上院議会に提出した法案]
[下院議会に提出した法案]