米IBMは,2005年第2四半期(4~6月期)の決算を米国時間7月18日に発表した。継続事業による売上高は223億ドルで,前年同期から4%減少した。一時的な項目を除いた利益は18億2000万ドルで,前年同期の17億4000万ドルから増益となった。希薄化後の1株当たり利益は1.12ドルセントで,前年同期の1.01セントから増加した。

 人員削減の経費17億ドル,パソコン事業の売却益11億ドル,米Microsoftからの和解金の7億7500万ドルといった一時的な項目を含めた利益は18億5000万ドルとなる。

 同期は,おもに欧州事業を対象として1万人を超える従業員の削減を実施したことを受け,1株あたり0.72ドルの人員削減コストを計上している。また,中国レノボ・グループ(聯想集団)へのパソコン事業売却益が1株あたり0.45ドル,Microsoft社からの独禁法訴訟の和解金支払いで1株あたり0.29ドルの利益を計上している。

 売上高の223億ドルには,4月におけるパソコンの売上高5億5700万ドルも含まれている。5月にレノボ・グループに売却したパソコン事業を除外した場合には,前年同期から6%の増収となる。

 同社会長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏は,「当期は,いくつかの戦略的かつ重要な移行が行なわれた。パソコン事業をレボノに売却し,欧州では合理化した管理システムを実装するとともに,将来的な成長に向けて当社の重要な部分の再構成を実施した」と述べている。

 継続事業による売上高を地域別でみると,米大陸は94億ドルで前年同期比3%減(為替とパソコン事業の影響を除いた場合5%増加)。EMEA(欧州/中東/アフリカ)は75億ドルで同レベル(同4%増)。アジア太平洋地域は46億ドルで同10%減(同2%増)。OEM収入は7億200万ドルで前年同期と同レベルだった。

 事業別でみると,パソコン事業部門を除いて,すべての5事業部門に売上高の成長がみられた。特に公共部門では売上高が2ケタ成長を達成しており,中小企業部門の売上高も良好だった。

 メンテナンス事業を含めたGlobal Servicesの売上高は120億ドルで,前年同期比6%増加(為替の影響を除いた場合,4%増加)。メンテナンス事業を除いたGlobal Servicesの売上高は同6%増(同4%増)となる。なお,IBM社が当期に獲得したサービス契約はおよそ146億ドルに達する。

 ハードウエア部門の売上高は56億ドルで,前年同期から25%減少(為替の影響を除いた場合,27%減)した。売却したパソコン事業を除いたハードウエアの売上高は,前年から5%増(同4%増)の50億ドルとなる。

 ソフトウエア収入は38億ドルで前年同期比10%増加(為替の影響を除いた場合,7%増)。ミドルウエアの売上高は同11%増の30億ドルとなった。OSの売上高は同3%増の5億9200万ドルだった。

 Global Financing部門の売上高は前年同期比4%減(為替の影響を除いた場合,7%減)の6億2200万ドル。Enterprise Investmentsとその他の部門は同3%減(同5%減)の2億8600万ドルだった。

 IBM社の当期における粗利率は39.4%で,前年同期の36.4%から上昇した。パソコン事業部門を除いた場合,前年同期の39.7%に対し,同期の粗利率は40.6%だった。

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