米連邦巡回控訴裁判所は,米AT&Tが米Microsoftに対して起こした特許侵害訴訟で,Microsoft社に責任があるとする判断を下した。控訴裁が米国時間7月13日に発表したもの。

 Microsoft社は,海外販売用Windowsソフトウエアを供給する場合に,マスター・ディスクを国外の契約業者に輸出し,契約業者がMicrosoft社とのライセンスに従ってこれを複製し,海外販売向けコンピュータにインストールしていた。AT&T社は,この国外で複製したWindowsソフトウエアに同社の音声コーデックに関する特許が組み込まれているとして提訴した。

 一方Microsoft社は,1)ソフトウエアは無形物であり,特許法271条f項でいう特許発明の「コンポーネント」に当たらない,2)Windowsソフトウエアが「コンポーネント」であったとしても,国外で作成したものであるため,特許法271条f項で示す「米国から供給されたコンポーネント」ではないとして,特許侵害の責任を否定した。

  ニューヨーク州南部連邦地方裁判所は2004年5月に,AT&T社の主張を認める判決を言い渡した。Microsoft社はこれを不服として控訴していたが,今回控訴裁は地裁の判断を支持し,Microsoft社の責任を認めた。

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