欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は,EUの全加盟国で5GHz周波数帯をWi-Fi対応無線LAN向けに使用することを義務づける決定を下した。ECがベルギーで現地時間7月14日に明らかにしたもの。「インターネットへの無線アクセスが,より高速化し,より広範囲で利用できるようになる」(EC)

 EU加盟国は,2005年10月31日までに,5150~5350MHz帯および5470~5725MHz帯を無線接続システム向けに割り当てなければならない。

 情報社会/メディア政策委員のViviane Reding氏は,「高速な電気通信ネットワークは欧州の競争力にとって不可欠だ。ECの決定により,単一の欧州市場に向けた,無線VoIPなどの革新的サービスの構築が進むだろう」と述べた。

 共通の周波数帯を設定することで,装置の低価格化を促進し,現在同目的で使われている周波数帯の負荷を緩和できる。空港,駅,ショッピング・モール,ホテルなどのホットスポットや,企業ネットワークへのアクセスを提供する無線システム導入の簡素化につながる。

 アナリストの予測によると,現在,世界のWi-Fiユーザーは1億2000万人(西欧は2500万人)で,今後3年間で5億人に増加する見通しだ。消費者は,携帯電話と同様に無線LANに慣れ親しむようになる。ただしWi-Fiの方が料金が安く,一部では無償で提供される。 

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