WWW関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)は,XML文書内の要素を識別するための統一的な方法まとめた仕様「xml:id 1.0」をW3C勧告案(Proposed Recommendation)として公開した。W3Cが米国時間7月12日に明らかにした。W3Cは,同勧告案に対するコメントを8月26日まで受け付ける。

 同仕様は,XML文書内の情報を個別に識別するための標準的な方法として提案されたもの。W3Cは,同仕様により「XML作成者の負荷の軽減される」としている。

 現在XML作成者は,スキーマやDTD(Document Type Definition)といった別の文書を利用してXML内の要素を識別することができる。この方法では,XMLパーサがスキーマを見つけられなかったり,読み込めなかった場合にトラブルが発生する可能性がある。また,作成者は,内部のメカニズムで識別子を利用することも可能だが,これにも問題はあるという。

 W3Cの勧告案では,「一部の仕様,特にSOAP(Simple Object Access Protocol)では,内部サブセットを禁止しており,外部サブセットの処理をオプションとしている。そのため,XML文書を利用する者すべてが,識別子を認識できる保証はない」と説明されている。

 W3Cによれば,固有の識別子を与えることは,作者が文書内に特定のテーブルやフォームといった個別の要素に対してCSS(Cascading Style Sheets)やXSLTなどを適用したい場合に有効になるという。

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