米Oracleは米国時間7月11日に,データベース管理システムの新版「Oracle Database 10g Release 2」の一般向けリリースを発表した。大規模グリッド・コンピューティング環境への対応強化を図っている。同社Webサイトから入手可能。

 クラスタ・システム「Oracle Real Application Clusters(RAC)」では,対応サーバーを最大100台に拡大した。負荷分散機能を強化し,クラスタ内の稼働パターンの変化により速く対処する。

 クラスタ用APIを備え,アプリケーションの可用性を向上する。新たな自動化フェールオーバ機能により,災害後でもすばやい復旧を可能にする。

 また,ストレージ管理機能「Automatic Storage Management」を強化しており,より多くのストレージ管理作業を自動化することで,グリッド環境でのストレージ共有をいっそう簡易化できるとする。

 セキュリティ面では,データ暗号化技術「Transparent Data Encryption」を新たに追加し,ディスク上に格納した機密データのシームレスな暗号化を実現する。ディスクあるいはテープに保存したデータを暗号化する自動バックアップ・データ管理機能「Oracle Secure Backup」も備える。

 アプリケーション開発の面では,World Wide Web Consortium(W3C)の定める「XML Query」標準規格をサポートするほか,米Microsoftの「Windows」への対応を向上した。

 Oracle Database 10g Release 2は,「Enterprise Edition」「Standard Edition」「Standard Edition One」を用意する。いずれも米Red Hatの企業向けOS「Red Hat Enterprise Linux 3.0」で利用可能。その他のLinux,およびUNIXとWindows対応版は今後30~90日に順次リリースする。なお,Transparent Data Encryption機能はEnterprise Edition向けにオプション提供する。

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