米Rambusが,新しいメモリー・インタフェース技術「XDR2」を7月7日に発表した。8GHz以上のデータ転送クロック周波数が利用でき,「現行のグラフィックス処理用GDDR DRAMに比べ5倍高速」(Rambus社)。

 DRAMアクセスをマルチ・スレッド化する技術「マイクロ・スレッディング(micro-threading)」を採用した。さらに回路の改良などにより,高速化を実現したという。「XDR2は,3次元グラフィックス,高度なビデオ処理,ネットワークのルーティング/スイッチング処理など,極めて広いメモリー帯域を必要とする用途に向いている」(同社)

 micro-threadingは,DRAMで一度に扱うデータを小さなサイズに分けて帯域幅の利用効率を高める技術。消費電力を低減する効果もある。

 XDR2では,タイミング回路「XDR FlexPhase」の速度を高めたほか,アクセス速度に悪影響を与える反射や減衰といった現象を最小限に抑える出力回路を開発した。また,200mVという小振幅差動信号を標準としたことで,同相信号(コモン・モード)のノイズを大幅に除去できたという。

 同社はXDR2のライセンス供与を開始した。対応製品の出荷は2007年には始まると見込む。

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