身元情報の窃盗による被害者を支援するIdentity Theft Assistance Center(ITAC)は,法の執行機関が犯人を検挙できるように,米連邦取引委員会(FTC)に身元情報の窃盗被害に関する情報を提供する。ITACが米国時間7月5日に明らかにしたもの。

 同団体は米国の銀行や金融サービス会社が構成する。身元情報の窃盗にあった被害者がクレジットカードの不正な使用などを突き止め,クレジットカード会社に速やかに通報できるように,無償でサービスを提供している。

 ITAC執行ディレクタのAnne Wallace氏は,「身元情報の窃盗による被害を食い止めるために,我々が収集した情報を法の執行機関と迅速に共有できるようにする」と説明する。

 また,FTC,Planning and Information部門担当副ディレクタのLois Greisman氏は,「身元情報の窃盗に関する苦情を集中的に管理できれば,犯人を捕まえるうえで役立つ。ITACが提供する情報は,FTCが運営するConsumer Sentinelデータベースに収め,連邦政府はもとより,各州および各地域の警察など,1300以上の法執行機関が活用できるようにする」と述べる。

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