ノルウェーのTrolltechが,クロス・プラットフォーム・ソフトウエア開発環境の新版「Qt 4」を現地時間6月28日に発表した。C++言語を使用して,Windows,Linux/Unix,Mac OS X用のアプリケーションを作ることができる。新機能を追加したほか,アプリケーション開発環境「Microsoft Visual Studio .NET」との連携も可能とした。

 Qt 4を使用すると,1種類のソースコードで異なるOSに対応したアプリケーションを開発できる。「マルチ・プラットフォームで動作するソフトウエアの開発作業は重要性が高まっている。Qtを使用すれば,事実上あらゆる環境で動く高性能なネイティブ・アプリケーションを作れる」(Trolltech社社長のEirik Chambe-Eng氏)

 新版はグラフィックス・サブシステムを強化し,半透過(アルファ・ブレンディング),アンチ・エイリアシング,浮動小数点座標などが使えるようになった。マルチ・スレッディング機能を拡張し,マルチ・コア・プロセサを活用したプログラムの作成が簡単に行えるという。

 Visual Studio .NETとの連携が可能となり,「LinuxやMac OS上で動くアプリケーションを慣れ親しんだプログラミング環境で開発できるうえ,Windows用アプリケーションの開発もAPI変更やOS間の非互換に悩まされない」(同社)。

 ライセンスは,商用アプリケーション開発用と,「Qt Open Source Edition」というオープンソース・プロジェクト用の2種類を用意する。オープンソース向けライセンスはGeneral Public License(GPL)に従う。いずれも直ちに利用可能とする。同社はWebサイトで,商用向けの評価版Qt Open Source Editionを公開している。

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