米IDCは,ハード・ディスク(HDD)世界市場に関する調査結果を米国時間6月29日に発表した。それによると,民生電子機器や外付けドライブおよびホーム・ストレージなどでHDDの利用が大幅に増えることから,2004~2009年におけるHDDの出荷台数と売上高の年平均成長率は,それぞれ15.5%,10.1%で推移する見込みだ。「特に,民生電子機器向けHDDの出荷台数は,同期間に年平均37.4%で拡大する」(同社)

 IDC,Storage Research部門ディレクタのDavid Reinsel氏は「HDD業界は出荷台数と売上高ともに伸び続ける見通しだが,現在,転換期にある」と述べる。「従来のHDD市場が堅調な一方で,民生電子機器などの新興市場がけん引役となる」(同氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,IDCは今後1年間のHDD出荷台数が6億3000万台に達すると予測しており,Reinsel氏は「その大半は,デスクトップ・パソコンやノート・パソコンに搭載される3.5インチ型で,次に多いのが2.5インチ型」とみる。

「HDD関連ベンダーは開発費用や資本投資を拡大して,コンポーネントやアセンブリの生産能力の拡大,ならびに垂直磁気記録方式(PMR)などの技術への移行に対応していく必要がある」(IDC)

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