米Oracleが,「Enterprise Java Beans(EJB)3.0」仕様の作成作業で米Sun Microsystemsに協力すると米国時間6月29日に発表した。Oracle社は,アプリケーション・プラットフォーム「Java Platform, Enterprise Edition(Java EE)5」による開発作業を支援するため,「Java Persistence Application Programming Interface(API)」を使った実装例の提供も行う。

 この実装例は,オブジェクト/リレーショナル・マッピング(ORM)ツール「Oracle TopLink」上で作成する。同ツールを使うと,「ミッション・クリティカルなエンタプライズ・アプリケーションに適した,高度なORM機能を提供できる」(同社)。

 さらに,アプリケーション・サーバー「Sun Java System Application Server, Platform Edition 9.0」のオープンソース版である「Project GlassFish」についても,実装例も提供する。

 「EJB 3.0に対する取り組みとJava Persistence向け実装例の提供でORMとJava Persistenceにおけるノウハウを発展させ,開発コミュニティ全体の要求に応える。同時に,サービス指向アーキテクチャ(SOA)対応アプリケーションの開発作業の省力化を支援する」(Oracle社Javaプラットフォーム・グループ担当副社長のSteven Harris氏)

 また同社は同日,オープンソース・ソフトウエア開発ツール関連の業界団体Eclipse Foundation内で,Webサービス向けビジネス・プロセス仕様Business Process Execution Language(BPEL)用のオープンソース・ツールを開発すると発表した。成果物はEclipse Public Licenseに従って公開する。ツールの開発は,同社のSOA対応ビジネス・プロセス管理プラットフォーム「Oracle BPEL Process Manager」とBPELツール「BPEL Designer」をベースに進める。

 Oracle BPEL Process Managerは,米Collaxaの買収により獲得した技術を用いており,Webサービスの連携とビジネス・プロセスの自動化を支援する。各種アプリケーションが混在する環境で,適応性のあるトランザクションやコラボレイティブ・ビジネス・プロセスを簡単に実装できるようにする。ビジネス・プロセス実行エンジン,ビジネス・プロセスの監視およびデバッグ・コンソール,ビジネス・プロセスの設計および作成用GUIなどを備える。あらゆるJava EEアプリケーション・サーバー上で動作するという。

 「BPELツールを開発し,Eclipseに貢献することで,SOAの普及推進活動を後押しする」(同社)

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[発表資料(EJB 3.0仕様開発など)]
[発表資料(BPEL用ツール開発)]