米Yankee Groupは米国時間6月28日,2005年における米国の携帯電話利用状況に関する調査結果を発表した。それによると,過去数年間はファミリ割引がティーンズの携帯電話利用をけん引していた。しかし,料金を先払いするプリペイド・プランやハイブリッド・プランを利用するティーンズの割合が前年と比べ8ポイント増加しており,今後はこの2つの料金プランが携帯電話の利用を後押しする見通しである。

 調査は,携帯電話を利用する18才以上のユーザー5200人以上と,13~17才のユーザー1000人以上を対象にアンケートを実施したもの。

 モバイル・データ・サービスの利用は,主に25才以下のユーザーによって占められている。しかし,年齢層の高いユーザーによるテキスト・メッセージングの利用も増加傾向にある。

 写真を送信可能な携帯電話を所有する成人ユーザーは全体の約4分の1に達し,前年から倍増した。しかし,写真の送信機能を日常的に利用しているユーザーは6%だった。「現時点で写真の送信機能を利用しているユーザーは少ないが,約3分の2のユーザーが今後もっと利用したいと回答している」(Yankee Group社)

 サービス・プロバイダを選ぶ際に,ユーザーが最も重視しているのは利用料金とサービス提供エリアだった。また,家族や友人が利用しているプロバイダや,顧客サービスを判断材料にするユーザーも多かった。

 ユーザーの満足度をみると,サービスの提供エリア,信頼性,音声品質といった基本項目に関して評価が高いプロバイダは米Verizon Wirelessだった。また,割安感が評価されたのはドイツT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USA。しかしYankee Group社によると,「ユーザーの満足度において,他社を圧倒しているプロバイダはない」。

 Yankee Group社上級アナリストのLinda Barrabee氏は、「携帯電話の機能やサービスに詳しいユーザーが増えている。サービス品質と需要の高い機能の両方を提供できるプロバイダが市場の波に乗れるだろう」と予測した。

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