米Sun Microsystemsがカリフォルニア州サンフランシスコで開催中のJava開発者向け会議「JavaOne 2005」で,米IBMとのJava技術および「Solaris 10 Operating System(OS)」に関する提携や,アプリケーション・サーバー「Sun Java System Application Server 9 Platform Edition」のオープンソース化などについて,米国時間6月27日に発表した。

 JavaOneの基調講演のなかで,Sun社社長兼COOのJonathan Schwartz氏は「Solaris OSや企業向けJava製品のような主要技術をオープンソース化することで,個人,企業,政府機関に新たな“ツール”,高いセキュリティ,斬新な技術を提供できる」と述べた。そのうえで同氏は次世代ネットワーク・コンピューティングの概念「Participation Age」を提唱し,「こうしたツールなどが経済や社会のParticipation Age化をけん引する」(同氏)とした。

 オープンソース活動への具体的な取り組みとして,同社はSun Java System Application Server 9 Platform Editionと「Java Business Integration(JBI)」(JSR 208)ベースのエンタプライズ・サービス・バス「Sun Java Enterprise Service Bus(ESB)」を,オープンソースとして公開する。

 また同社は,Java技術ライセンスに関するIBM社との既存契約を2016年まで延長する。IBM社の「DB2」「Rational」「Tivoli」「WebSphere」といったソフトウエアについて,Solaris 10 OSへの対応を進める。

 そのほかの主な発表内容は以下の通り。

・Opteronプロセサを搭載する「Sun Ultra 20 Workstation」製品系列と,モバイル向けUltraSPARCプロセサ搭載の「Sun Ultra 3 Mobile Workstation」製品系列

・サービス指向アーキテクチャ(SOA)戦略の一環である「Java Web Services Developer Pack 1.6」

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