ドイツのSAPは,製造業向けのソフトウエアを手がける米Lighthammer Software Developmentを買収する。同社が米国時間6月22日に発表した。手続きは7月に完了する見通し。買収金額は明らかにされていない。

 同社は,Lighthammer社の買収を「SAPが推進するアダプティブ・ビジネス・ネットワーク(ABN)の実現に向けた戦略をサポートするもの」と説明している。

 Lighthammer社の「Collaborative Manufacturing Suite(CMS)」は,SAP社のアプリケーション統合プラットフォーム「NetWeaver」を介して連携される複合アプリケーション・パッケージ群「xApps」として提供される予定。

 SAP Lighthammerソリューションは,工場現場と企業ネットワークのギャップを埋め,製造業者が製造上における不測な事態やパフォーマンスの変化をリアルタイムで把握できるようにすることにより,予測しなかった需要と供給の変化に迅速に対応できるようにする。ERPと工場現場のシステムをリアルタイムで統合するとともに,リアルタイムの分析とビジュアル化を提供可能になる。企業は,TCO(総所有コスト)を抑えながら既存の投資を活用できるという。

 Lighthammer社は,SAP社の戦略パートナであり,同社のおよそ70%の顧客はSAP社の顧客でもある。買収後,Lighthammer社の従業員はSAP社の米国子会社であるSAP AmericaとSAP Labsに組み込まれる。

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