米Hewlett-Packard(HP)は,Linuxクラスタ技術搭載したファイル・サーバーの新版「HP StorageWorks Scalable File Share(HP SFS)2.0」をドイツで現地時間6月21日に発表した。新版では,低いエントリ価格で最大3倍の帯域幅を提供するようになった。

 HP SFSは,サーバーとストレージ・クラスタにおいて並行してファイルを保存することにより帯域幅の共有を可能にするもの。新版では,旧バージョンにおけるエントリ価格の半分,またNFSの5分の1の価格でスケーラブルなパフォーマンスを提供する。従来のクラスタと比較して帯域幅は3倍の最大35Gバイト/秒,容量は2倍の512Tバイトを提供する。

 また,HP SFS 2.0は,米VoltaireのInfiniBandに対応するようになり,数時間でインストールが可能になった。その他にもモニタリングと管理機能が拡張された。

 HP SFS 2.0は,ハードウエア/ソフトウエア/サービスを包括的な単一パッケージとして提供する高性能コンピューティング向けソリューション「HP Unified Cluster Portfolio」のアップデートの一環として発表されたもの。クラスタ管理を集約する「HP XC System Software」とHP Cluster Platformシステムにも機能強化が施された。

 Unified Cluster Portfolioは,ハードウエア/ソフトウエア/サービスを包括的に提供するモジュラ型パッケージ。人類遺伝学やナノスケール電子機器の開発といった分野における分析で作成される大規模なデータの管理,保存,アクセス,ビジュアル化を支援する。HP社は,「複数種類のOS(HP-UX,Microsoft Windows,Linux),複数種類のプロセサ(Intel Xeon/Itanium,AMD Opteron)で共通して利用可能な業界初のソリューション」と説明している。

 HP SFS 2.0は,7月にリリースが予定されている。その他の詳細は,同社WWWサイトに記載されている。

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