米eBay子会社のPayPalは米国時間6月20日に,中小企業向けの電子商取引決済サービス「Website Payments Pro」を発表した。「小売りサイトは,より多くの決済手段をユーザーに提供することができる」(同社)。

 Website Payments Proは非ホスティング型サービスで,「Express Checkout」「Direct Payment API」「Virtual Terminal」の3機能で構成する。

 Express Checkoutは,PayPalアカウントを登録しているユーザーが,小売りサイトで「数回クリックするだけで」(同社)決済手続きを行えるようにする。手続きの初めの段階でPayPal社のサイトに移動し,アカウント確認が済むと自動的に小売りサイトに戻る。購入した商品の発送状況や決済情報は,そのまま小売りサイトのWebページで確認できる。

 Direct Payment APIは,PayPalアカウントを所有していないユーザーのクレジット・カード支払いに対応する。ユーザーが小売りサイトで入力したクレジット・カード情報を,PayPal社のシステムがバックエンドで処理する。

 Virtual Terminalは,小売りサイトが電話,ファクス,メールで受け付けた注文のクレジット・カード情報を,PayPal社のシステムに送るためのオンライン・インタフェース。

 そのほか,小売りサイトはサード・パーティの「買い物かご」機能を組み込むことも可能。

 Website Payments Proは月額基本料が20ドルで,1トランザクションあたり2.2~2.9%の手数料と30セントが加算される。

 また同社は,電子商取引向けソフトウエア開発キット「PayPal SDK」を同日リリースした。同社の開発者向けネットワーク「PayPal Developer Network」のメンバーは,同社Webサイトから無償でダウンロードできる。Website Payments ProをはじめとするPayPal社製品に対応した7種類の決済機能向けAPIなどをサポートする。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]