米VeriSignは,2005年第1四半期におけるインターネット利用とオンライン・セキュリティに関する調査結果を米国時間6月14日に発表した。それによると,ネットワーク侵害の報告が相次いでいるが,企業や消費者のインターネット利用は,引き続き急速に広がっているという。「.com」ドメインの新規登録は前年同期と比べ29%増加し,「.net」ドメインの新規登録も同23%増えた。

 同社が13万5000の販売サイトを追跡したところ,電子商取引件数は過去1年で31%増加した。2005年第1四半期における取引金額は1件あたり平均150ドルで,前期の144ドルと比べ4%上昇した。

 2005年第1四半期に同社の決済サービスで処理した取引件数は7129万件(総額106億9000万ドル)にのぼった。同サービスは,北米電子商取引の37%で導入されているという。

 セキュリティに関しては,2005年第1四半期に発生した詐欺取引の84.9%が米国のコンピュータから行われている。カナダは5.2%,英国は1.1%,オーストラリアとドイツはそれぞれ0.9%,日本が0.7%だった。

 また同社は,「フィッシング対策をかわすためにフィッシング攻撃が巧妙化している」と指摘し,最も危険な手口として「ファーミング」を挙げている。ファーミングは,パソコンにスパイウエアなどを潜り込ませ,ユーザーと正当な企業サイト間でやりとりされる個人情報を盗み取ろうとする手段である。

 「こうした脅威にもかかわらず,世界中のユーザーは,仕事や個人目的の必須ツールとしてインターネットを利用している。これは,セキュリティ保護が正当に機能している場合に販売業者とユーザー間で成立する信頼を反映している」(VeriSign社Security Services部門ジェネラル・マネージャ兼上級バイス・プレジデントのJudy Lin氏)

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