米Oracleは,ERPパッケージ製品「JD Edwards World」用のアップデータ「A7.3 Service Pack 16」を提供開始した。Oracle社が米国時間6月15日に明らかにしたもの。同アップデータを適用すると,法規制順守に向けた機能や顧客セルフ・サービス機能が利用可能となる。

 主な強化点として,同社は「Cash Flow Reporting」の機能強化,「General Ledger」の監査機能の改善,バッチ・ヘッダの更新,キャッシュ流出を監視する承認プロセスの「Accounts Payable」への追加を挙げる。「こうした機能により,米企業改革法(Sarbanes-Oxley Act of 2002)などの法規制を順守しやすくなる。会計報告実務の状況や,業務の動きもこれまで以上に把握できる」(同社)

 JD Edwards Worldの基本製品として,顧客セルフ・サービス用アプリケーションを追加した。こうしたアプリケーションを利用すると,インターネット経由で24時間リアルタイムに発注や問い合わせが行える環境を顧客に提供できる。その結果,顧客との関係の強化や拡大につながるという。

 欧州で普及している国際的な銀行口座番号である国際銀行勘定番号(IBAN:International Bank Account Number)と,国際会計基準審議会(IASB:International Accounting Standards Board)の定める国際会計基準(IAS)に則ったキャッシュ・フロー分析にも対応した。

 同アップデータの対応地域は,アルゼンチン,オーストラリア,ブラジル,カナダ,フランス,イタリア,アイルランド,メキシコ,スペイン。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,Oracle社はJD Edwards World用メジャー・アップデータの提供を2006年後半まで計画している。その後もアドオンやパッチの提供は続けるという。

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