米Robert Half Technologyが,2005年第3四半期の米国IT雇用見通しに関する調査結果を米国時間6月9日に発表した。それによると,米国企業のCIOの14%が「人員増強」を計画しており,「人員削減」を考えているCIOは3%だった。また18%は「現状維持」と答えた。「増強と削減の差(純増)は11%で,前年同期は5%だった。これは過去12四半期(3年)で最も大きな値」(Robert Half Technology社)

 調査は,100人以上の従業員を抱える米国企業から無作為に選んだ1400人以上のCIOを対象にアンケートを実施したもの。

 Robert Half Technology社エグゼクティブ・ディレクタのKatherine Spencer Lee氏は,「企業は雇用計画に対して楽観的な姿勢を強めつつあるが,実際の状況は現実的なまま」と説明する。「CIOは環境を慎重に判断し,特定の職種やスキルで長期的な雇用が必要なときに限ってフルタイム人員を増やす。しばらくは,短期間の取り組みやピーク時の作業負荷をさばくために,プロジェクト単位でスタッフを雇用する状態が続く」(同氏)

 人員増強を計画しているCIOの38%は「業務拡大」を主な理由に挙げており,「顧客/エンド・ユーザー・サポートの強化」(21%)がこれに続いた。

 最も需要のあるスキル(複数回答)は「Windows NT/2000/XPの管理」(77%)で,次いで「無線ネットワーク管理」(48%),「SQL Server管理」(47%)の順番となっている。

■2005年第3四半期の地域別IT雇用予測(単位:%)
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地域               増加   減少
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米国全体            14      3
ニューイングランド  24      3
中部大西洋          17      2
南部大西洋          16      3
中央北東             7      4
中央北西            19      5
中央南東             7      4
中央南西            20      1
山岳部              15      2
太平洋               9      3
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出典:Robert Half Technology社
■2005年第3四半期の業種別IT雇用予測(単位:%)
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業種               増加   減少
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業種全体            14     3
製造                10     5
専門                14     2
小売                18     2
卸売                13     0
金融/保険/不動産  17     6
業務サービス        20     1
輸送業              25     1
建設業              11     4
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出典:Robert Half Technology社

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