フィンランドのNokiaと米Intelが,無線ブロードバンド規格WiMAX(IEEE802.16e)対応技術の開発やマーケティング,規格策定作業の推進で協力すると,それぞれ現地時間6月10日に発表した。

 WiMAXはIEEE802.16に基づく通信規格。Nokia社とIntel社も参加する非営利団体World Interoperability for Microwave Access Forum(WiMAX Forum)が,対応機器の互換性と相互接続性を確保する取り組みを展開している。規格は大きく2種類に分かれる。1つはIEEE802.16-2004で, IEEE802.16aという規格がベース。最長伝送距離が7k~10kmで固定区間向け。もう1つは現在策定中のIEEE802.16e。こちらは移動端末向けで最長3k~5kmの通信が可能。

 両社は,ノート・パソコンや通信端末などのモバイル機器,基地局を含むネットワーク・インフラといった分野で協力していく。マーケティングも共同展開し,サービス・プロバイダや通信/IT関連企業に対して「WiMAXがデータ・サービスの機能を強化すると同時に,既存の第3世代携帯電話ネットワークを補完することを示す」(両社)としている。

 さらに,米電気電子学会(IEEE)によるIEEE802.16eの最終承認に向けた活動と,WiMAX Forum内での関連規格の策定作業でも協力する。両社は「IEEE802.16eは2005年終わりごろに確定する」と見込む。

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