米連邦通信委員会(FCC)は米国時間6月9日に,テレビ受像器のデジタル放送対応に関する米家電協会(CEA)と家電小売店協会(CERC)の異議申し立てを退け,2005年7月1日までに50%の中型テレビ受像機(25~36インチ)でデジタル放送対応(DTV)チューナを内蔵するよう義務づける決定を発表した。また,すべての中型テレビ受像機におけるDTVチューナ内蔵の期限を,2006年7月1日から2006年3月1日に繰り上げた。

 CEAとCERCは,FCCが中型テレビ受像機のDTVチューナ内蔵について命じていた「2005年7月1日までに50%,2006年7月1日までに100%」に対して,50%対応の期限を撤廃し,その上で100%対応の期限を2006年3月1日に設定するよう求めていた。しかしFCCは,「中型テレビ受像機におけるデジタル放送対応を遅らせることになる」として50%対応の期限撤廃を拒否し,「業界が実現可能とみる最も早い時期に合わせて」(FCC),100%対応の期限を前倒しした。

 なお,大型テレビ受像器(36インチ以上)については,2005年7月1日までにDTVチューナの100%内蔵が義務づけられている。

 2007年7月1日には,13インチ以上の全テレビ受像器,およびVCRやDVDRなどのテレビ受信装置すべてでDTVチューナを内蔵していなければならないが,FCCは今回,この期限を2006年12月31日以前に繰り上げることを提案した。米国では,2006年12月31日をデジタル地上波移行の目標として,アナログ放送を停波する計画である。

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[発表資料(PDF)]